緑内障検診

40歳以上の20人に1人が緑内障

近視と緑内障発症リスク

緑内障は進行するまで自覚症状が現れにくいため、早期発見と早期治療が非常に重要な疾患です。

多治見スタディの結果によると、日本人の40歳以上では20人に1人が緑内障を患っていることが分かっています。また、近視は緑内障発症のリスク因子とされ、弱度近視では1.85倍、中・強度近視では2.60倍にリスクが高まることが報告されています。

近視と緑内障発症リスク

世界の近視人口の推移と予測

さらに、世界保健機関(WHO)のデータによると、近視は今後世界中で急激に増加する予測です。2030年には近視の有病率が40%に、2050年には50%に達すると言われています。前述のように、近視は緑内障発症の危険因子であるため、今後緑内障患者さんもますます増えることが予想されます。

家族歴と緑内障発症リスク

また、家族歴も緑内障発症に関連しており、親に緑内障がある場合、発症リスクは2.17倍、兄弟にある場合は3.69倍、子どもにある場合は1.12倍に高まると言われています。

そのため、近視の方やご家族に緑内障の方がいらっしゃる場合は、ご自身の目を守るためにも、ぜひ緑内障検診を受けることをお勧めします。

緑内障検査

緑内障を診断するための検査には以下のものがあります。

1.眼圧検査

眼球を外から軽く押して、押し返す力を測定します。痛みはありません。当院では、空気眼圧計、ゴールドマン眼圧計、アイケア眼圧計など、複数の眼圧計を使用しており、患者さん一人ひとりに最適な方法で信頼性の高い眼圧測定を行っています。

2.眼底検査

瞳に光を通して、目の奥(眼底)の状態を調べます。人間ドックや健康診断で「視神経乳頭陥凹」や「視神経乳頭陥凹拡大」などと書かれていることがありますが、これは健診時に眼底カメラで撮影された目の奥の写真を、健診担当の眼科医が確認した結果です。そこで目の神経(視神経乳頭)に異常が見られ、緑内障が疑われる場合に、そのように記載されます。

3.視野検査

光の点が見えたらボタンを押して合図する方法で、見える範囲や敏感さを調べます。当院では5台の視野計を設置しており、そのうち2台は最新の視野計「アイモvifa」(クリュートメディカルシステムズ製)です。アイモvifaの特筆すべき点は、視野検査にかかる時間が大幅に短縮されたことで、従来の機器と比較して、約半分の時間で検査が可能です。また、楽な姿勢で検査を受けられるため、視野検査が苦手な患者さまにも大変好評をいただいています。

4.OCT検査

眼の中の網膜と呼ばれる部分の断面図を確認し、緑内障の早期診断に役立ちます。OCTとは「Optical Coherence Tomography」の略で、日本語では「光干渉断層計」と呼ばれています。この検査により、従来の方法では発見が難しかった微細な変化を捉えることができ、視野検査で異常が現れる前のごく早期の緑内障も発見可能です。そのため、当院では積極的にOCT検査を行っています。当院には2台のOCTを設置しており、2024年に発売された最新のOCT「Glavas」(ニデック社製)を導入しています。この機器は、他社製品と比較して最速のスキャンスピードを誇り、撮影の安定性が高いのが特徴です。また、撮影範囲が広がり、評価が難しかった近視眼の解析にも優れています。

OCTで視野が欠ける前に発見された緑内障。
緑内障により薄くなった網膜が赤く表示されています

その他、視力検査や細隙灯顕微鏡検査、隅角検査などを通じて、病型をしっかりと診断します。
いずれの検査も痛みはありませんので、安心してご来院ください。

予約制086-227-2626